太陽のシンボルが持つ意味について

中世ヨーロッパの宗教画

2017年12月07日 14時38分

中世ヨーロッパで描かれた宗教的テーマを持つ絵画は、イエスや聖人たちといった人物以外に、
宗教上の意味をあらわすシンボルとして動植物や事物が描かれます。テーマに応じて、何を描くかルールがあったのです。
十字架にかけられたキリストの死の絵画には、キリストによる「救済の目撃者(証人)」として「太陽と月」が一緒に描かれました。
これは、キリストが世界の罪を一身に背負って十字架にかけられて死んだことによって世界が救済されたというキリスト教の教義から来ています。
つまり、「太陽と月」は、イエスによる世界の救済が普遍的なものであることを象徴します。
またさらに、キリストと教会の関係をも意味しています。
月が太陽なしには輝くことができないという天体現象になぞらえて、キリストという太陽なしに教会が輝くことはないということを表しているのです。
カトリック教会のイエズス会は、ギザギザの放射状の線で太陽光線をあらわし、円の中に十字架と「IHS」の文字をあしらった紋章を用いていました。